備長炭とは

備長炭とは

カシの木を窯に入れ、火を付けて徐々に乾燥。その後原木が炭化したら、頃を見計らって、窯の口を大きく開き、大量の空気を送り込みます。窯中の温度が1000~1200℃以上になったところで、真っ赤になった炭を窯から引きずり出し、灰をかけて消した物で、その付いた灰が白く残るので、白炭と言い、白炭の最高級品が備長炭です。
この備長炭、語源は江戸(元禄)時代、紀州(和歌山)の炭商人、備中屋長佐エ門が考案、販売したことから、この名称が付きました。
備長炭の定義としては、日本農林規格(JAS)ではカシを白炭に焼き、三浦式硬度15度以上の物と決められています。(注 三浦式硬度とは、鉛が1度、鋼(はがね)が20度で20段階に均等に区別されています。)ですから、硬い備長炭は硬度20度と、当然ノコギリでは切れず、ハンマ-のかわりに釘を打つことも出来る程、硬いものです。
現在、備長炭は平成9年に日本農林規格見直しの際、日本国内生産量はわずか5,000トン位なものなので、(米、小麦は500~600万トン)JASからはずされてしまいましたが、この規格は全国木炭協会等の認定により、維持されています。
新しい木炭の規格は、固定炭素含有量と精煉度を基準として作られております。
備長炭の規格は、カシの木を白炭で炭化したもので、固定炭素90%以上、精煉度0~2度となっております。
品質により異なりますが、元素組織としては、炭素92~3%、灰分2~3%、揮発分4~5%位、また精煉度とは炭化の度合いを示すもので木炭表面の電気抵抗を測り、0~9の10段階で表示し、木炭精煉計により測定した炭化度で、電気抵抗の指数で示します。
この電気抵抗は炭化温度に関連します。炭化温度を上げていくと電気抵抗は少なくなり,700度位の温度で炭化した炭はかなり電気が伝わる。1,000度位で炭化した炭(白炭)では電気の流れはさらによくなります。この原因は炭素の構造が、温度が上がるにしたがい整然としてきて、黒鉛の構造に近づくからです。
無定形炭素といわれている炭素類の炭素構造は基本的には黒鉛の炭素構造と似ているが、ただその分子がはなはだ小さいため、通電性が良くなります。