徹底比較!備長炭とオガ炭の「コスト効率」と「火の安定性」
増田 剛
あなたの店の「最適解」はどちら?
炭火調理を主とする焼鳥店や焼肉店、居酒屋などの飲食店にとって、「炭」は料理の味と経営コストを左右する重要な要素です。
現在、業務用炭は備長炭とオガ炭が主流となっていますが「どちらが自分の店に最適か」を明確に判断できていますか?
炭の専門商社である増田屋が、「性質」、「コスト」、そして日々のオペレーションに直結する「火の安定性」という3つの視点から、両方の炭を徹底比較します。
目次
1 性質と料理への影響:火力・持続性・形状
備長炭とオガ炭の最大の差は、その製法と素材に由来する「炭の性質と特徴」です。
1-1.備長炭:本物の火力
備長炭は、ウバメガシなどの硬い木材を高温で焼いた「白炭」であり、一定の火力を長時間安定して持続することができるのが特徴です。
遠赤外線効果で内部までしっかり火を通すため、外はパリッと、中はジューシーに仕上がります。匂いや煙も非常に少ないため、食材本来の風味を活かしたい高級店や専門店に適しています。
天然の木を伐採し、炭にしているため、形状やサイズは多種にわたります。
1-2.オガ炭:安定した形状と燃焼特性
オガ炭は、オガクズ(木材の粉末)を成形・圧縮し炭化させたリサイクル炭です。
備長炭ほどの火力、火持ちの持続性はないものの、均一な形状のため炭台(コンロ)の中に入れやすく、火力を安定できます。手で割る(折る)ことができるので炭の長さの調整は容易です。
備長炭ほどではないですが、火持ちも長めです。
炭をしっかり熾せば、だれでも扱いやすくコストも安いため、居酒屋やカジュアルな焼肉店で重宝されます。

2.コストパフォーマンスの比較
最終的に、安定供給とコストは経営に直結します。備長炭とオガ炭の価格の比較。
2-1.備長炭のコスト
備長炭は単価が高い傾向があり、初期導入コストが大きいです。
一方で長時間安定して燃える性質があるため、焼き時間を一定に保ちやすく、食材の品質安定につながる場合が多い。
このため、繁忙店舗や高単価メニューを狙う店では総コストを正味で抑えられる場合もあるが、日次・月次の燃料費はオガ炭より高くなる傾向があると考えられます 。
しかし、圧倒的な燃焼時間の長さと、食材の品質向上による客単価への寄与を考慮すると、総合的なコストパフォーマンスは一概に悪いとは言えません。
2-2.オガ炭のコスト
オガ炭は原材料費が通常低く、初期コストを抑えやすいのが特徴です。
火力は安定して持続し、着火性も比較的良好な製品が多く、使い方次第では低コストで備長炭と同等の実務性を提供する事例もあります。
ただし産地や工場によって品質のばらつきや着火・調整のコツが必要な場合もある点には留意。

3.オペレーション効率:着火時間と火の安定性
コストも大切ですが、日々の仕込みや営業中のオペレーション効率は、炭選びの重要な要素です。
3-1.備長炭の課題と対策:着火性と管理
備長炭はその硬さゆえ、着火に時間がかかります。通常、専用の火起こし器で1時間位かかることも珍しくありません。
しかし、一度火がつけば火持ちは非常に長く、途中の足し炭の回数を減らせるため、営業中の手間は少なくなります。
仕込み時に早めに着火し、火床を安定させ、火力をコントロールすることが重要です。
水分や不純物が残っていると「爆跳(炭がはぜること)」のリスクがあるため、炭の置き方や火力のコントロールにはある程度の経験が必要にはなってきます。
高温・長時間の加熱を要する料理や、焙焼香(いわゆる炭火の香り)の統一感を重視するメニューに適しています 。
3-2.オガ炭の強みと注意点:即戦力と品質のバランス
オガ炭はコスパが高く、着火性・燃焼時間が安定するタイプも多いが、品種・産地・製法によって特に燃焼灰の多さや重さが原因で火力のバラツキが生じやすい点や、長時間の均一性を求める場合は備長炭に比べ注意が必要です。
オガ炭は、比較的早く着火するため、仕込み時間を短縮できます。
また、品質により差はあるが、熾きた炭は安定しているため、炭に慣れていないスタッフでも扱いやすいのがメリットです。

4.導入の最適解
お店の提供する食材、キャパ、人員、コストによる結論案。
4-1.高回転・低粗利の居酒屋・焼肉店など、日々の来客数が多く、燃料費を抑えつつ
「安定した焼き時間」を最優先したい場合
「オガ炭」を中心に導入するのが現実的な選択肢。
初期費用を抑えつつ、短時間の着火と長時間の燃焼で作業効率を高められるケースが多い。
国産、中国産、マレーシア産など複数種類があるため、選択肢によっては、店舗の利益改善に直結しやすい 。
4-2.高級感を演出するメニュー構成で、
香り・風味の均一性と「品質の再現性」を最重要視する場合
「備長炭」を主要の炭として採用する価値が高い。
味・ブランドイメージが最優先。
火力が安定しており、焼成時の温度管理を厳密に行えるため、素材の香味を活かした仕上がりを一定に保てる可能性が高く、食材に焙焼香を与えるのもオガ炭より期待できる。

5.まとめ
コストを抑えつつ安定性を確保したい場合は、店舗のオペレーションに合わせた「備長炭」と「オガ炭」の両方を使う戦略を検討してもいいと思われます。
備長炭の香味とオガ炭のコストメリットを活かし、用途別に使い分ける運用が現実的です 。
もしよろしければ、炭台(コンロ)の大きさ、1日あたりの炭使用量、想定メニューと焼成時間を教えてください。
炭の種類や産地ごとの炭、具体的なコスト試算と、最適な「炭種の組み合わせ案」をご提示します。
| 項目 | 備長炭 | オガ炭 |
|---|---|---|
| 原料・製法 | 樫の木などの天然木を高温で焼成した白炭で、密度が高く非常に硬い | おがくずを高圧成形し炭化した成形炭で、硬質タイプから、柔らかいタイプまである |
| 価格帯・コスト感 | 1kg単価は高く、「高級燃料」という位置づけになりやすい | 1kg単価が安く、コスパ重視向き |
| コスト効率(ランニング) | 燃焼時間が非常に長く火力も落ちにくい。ピーク帯を長く維持できるが、オガ炭より燃料費は高くなりやすい | 長時間燃焼しつつ価格が安いため、1日あたりの燃料費を抑えやすく、多くの焼肉店・チェーン店で採用されている |
| 着火性 | 着火に時間と技術が必要で、点火オペレーションに慣れたスタッフがいる店向け | 備長炭より火付きがよく、アルバイト中心のオペレーションでも扱いやすい |
| 火力の強さ | 強火力が長く続き、ピークパワー帯が広く、厚い肉や鰻・焼鳥などをムラなく焼きやすい | 弱〜中火力を安定して維持でき、一般的な焼肉には十分な火力を確保できる。量で強火力にも |
| 火の安定性 | 火持ちと火力の安定性は炭種の中でも一番で、温度変動が少なく、味の再現性を高めやすい | 良質品なら火力は安定しているが、備長炭より火持ちが短く、灰の量が製品差・ロット差の影響を受けやすい |
| 炎・煙・ニオイ | 油が落ちても炎が立ち上がりにくく、煙・異臭も少ないため、食材の風味をクリアに出しやすい | 食材の脂が落ちると炎が出やすい。燃料店が扱うオガ炭であれば煙やニオイなどはほぼない |
| 扱いやすさ(オペ面) | 火起こし・火加減ともに「職人」的な感覚が要求されやすく、スタッフ教育コストがかかる | 火付きが良く爆跳も少ないため、初心者・アルバイトでも比較的扱いやすいとされる |
| 向いている業態・コンセプト | 鰻専門店、高級焼鳥、懐石、割烹など、「味・香り・高級感」を最優先する店 | コスパ重視の焼肉店・大衆焼鳥・居酒屋チェーンなど、「安定した品質と燃料費と人件費を抑えたい」店 |
| ハイブリッド利用 | 立ち上げ・下火にオガ炭、仕上げ用に備長炭を混用することで、コストと品質のバランスを取る運用も検討できる | 備長炭と組み合わせることで「コストはオガ炭よりで仕上がりは備長炭寄り」を狙えるため、有効な選択肢 |
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